1762年 イギリス ジョージ3世 クォーターギニー 1/4ギニー金貨 S-3741
コインの特徴 : ジョージ3世の時代に1度だけ発行された希少なギニー金貨 1762年発行の1/4ギニーは、英国コイン史の中でもひときわ希少な1枚です。この額面のコインが発行されたのは1718年と1762年のみ。ジョージ3世の治世でつくられたのは、この年だけでした。 18世紀の英国は、慢性的な銀不足に悩まされていました。1/4ギニーは、不足する銀貨を補う金貨であったという特異な経緯があります。 ハノーヴァー王朝3代目にあたるジョージ3世は、英国生まれの英国育ち。ドイツ色の強かった先代までとは一線を画し、英国人として国民に親しまれ、愛された王でした。 英国王とハノーヴァー選帝侯を兼ねる立場にふさわしく、この小さな金貨に刻まれた称号は驚くほど複雑です。グレート・ブリテン、フランスおよびアイルランドの王、信仰の擁護者、ブラウンシュヴァイク=リューネブルク公、神聖ローマ帝国の大財務官・選帝侯——。これらの称号が、王室紋章を取り囲むように刻まれています。 複雑に絡み合うヨーロッパの歴史と、産業革命への歩みを進めていた大英帝国の姿を、この1枚の金貨から感じ取ることができます。 歴史的背景・発行主体など : 七年戦争でもたらされた膨大な富から生まれた金貨 1762年発行のジョージ3世の1/4ギニー金貨には、戦争がもたらした思いがけない富が背景にありました。 1762年当時、英国は七年戦争(※)の真っ只中でした。この年、英国海軍はスペインの財宝船エルミオーネ号を拿捕。搭載されていた大量の金銀が英国にもたらされ、英国のGDPを一気に0.64%も押し上げました。 深刻化していた銀貨不足を補い、拿捕にあたった兵士たちへの賞金分配にも用いるため発行されたのが、この1/4ギニー金貨です。ジョージ3世の肖像と王室紋章がデザインされ、小さなコインにはハノーヴァー王朝の称号がぎっしりと刻まれています。 1/4ギニーという額面が発行されたのは、これが2度目でした。1718年、当時の王立造幣局長アイザック・ニュートンの発案により初めて世に出されましたが、以後は久しく発行が途絶えていたのです。 海戦の勝利による豊かな富がもたらした1762年発行の1/4ギニー金貨。ロマンを感じるストーリーとともに、上り坂にあった英国の繁栄の象徴として輝き続けています。 ※七年戦争:1756年から1763年まで続いたオーストリア対プロイセンの戦争で、フランス対イギリスという対立も火種となった。 市場価値 :鑑定枚数から見る、市場価値 1/4ギニーが発行されたのは、英国史上1718年と1762年のわずか2度だけ。しかも、ジョージ3世の治世では1762年限りの発行です。英国金貨のなかでも収集対象が明確で、コレクターにとって「押さえておきたい1枚」といえる存在です。 加えて、小型金貨であることも見逃せません。大型ギニーと比べて購入できる層が広いため、将来売却する際にも買い手を見つけやすいという強みがあります。希少でありながら、限られた富裕層だけを対象とするコインではない。この需要の広さは、市場価値を考えるうえで大切なポイントです。 そのなかで本品は、PCGSで最高鑑定(TOP POP)となるMS64を獲得。同評価はわずか3枚しか存在しません。 小型金貨は最高鑑定であっても比較的手が届きやすいため、「どうせ買うならTOP POPを」と考えるコレクターが多いことも、上位グレードへの需要を支えるポイントです。 発行そのものの希少性、英国金貨としての人気、小型金貨ならではの買いやすさ、そして最高鑑定という保存状態。市場で評価される条件が、バランスよくそろった1枚です。 コインに描かれた人物 :英国人気質で国民に愛されたジョージ3世 ハノーヴァー家は、縁戚関係をたどってドイツから英国王として迎えられた家門です。ジョージ1世とジョージ2世はドイツ的な人柄で知られていましたが、イギリスで生まれ育ったジョージ3世は、英国人として絶大な人気を誇る王となりました。 品行方正で家庭を大切にし、教養も深かったといわれるジョージ3世。イギリス人の趣味である庭仕事を愛し、農業にも情熱を注ぎました。「ファーマー・ジョージ」の愛称で親しまれ、自ら農場を営んでいたほか、森や畑を散策しては気さくに国民に声をかけたと伝えられています。 ジョージ3世の治世はアメリカ独立戦争、フランス革命、ナポレオン戦争など、ヨーロッパが揺れに揺れた時代。一方でイギリスは、巨万の富を武器に、産業革命へと向かう興隆期にありました。 晩年は健康を損ない、公務から退くことも多かったジョージ3世ですが、その人気は今も衰えを見せません。 額面・通貨について :ギニー金貨とは ギニー金貨は、1663年に英国で誕生した金貨です。当時最新の技術だった機械打ちでつくられた、英国初の金貨でした。名前の由来は、原料の金が西アフリカのギニア地方から運ばれていたことにあります。 登場した当初は価値が上下していましたが、1717年、かのアイザック・ニュートンの提言によって21シリングに固定されました。1/4ギニーの価値が「5シリング3ペンス」という半端な金額になっているのは、この21シリングを4等分したことによるものです。 1817年にソブリン金貨へと役目を譲った後も、「ギニー」という呼び名は英国文化の中に生き続けてきました。「2000ギニー・ステークス」のようにレース名にその名を残すだけでなく、競走馬のセリでは今も「ギニー」という単位を見ることもあります。 300年以上前に生まれた単位ですが、さまざまな形で現在まで受け継がれているのです。
Variants (1)
- Default Title — 600000.00 JPY — In stock
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