【~90's】Vintage Levi's 507XX Denim Jacket Size.44 "2nd Type" "Valencia Factory"
1998年製、Levi's(リーバイス)製『507XX(705020003) デニムジャケット』になります。 いやぁ、これは良い色落ちです。 デニムというのは結局、誰がどう着たかが全てだと思うんです。 当個体はその答えが、これ以上ないほど美しい形で残っています。 Levi's(リーバイス)とは、1853年に創業者である "Levi Strauss(リーヴァイ・ストラウス)" によって、アメリカ・サンフランシスコにて立ち上げられた世界最古のデニムブランドになります。 ドイツ・バイエルンからの移民であったストラウスが、ゴールドラッシュに沸く西海岸で商会を構えたのが始まりになります。 坑道で膝が破れ、ポケットが裂けると嘆く鉱夫たちの声に応えて、丈夫な帆布で作業用のパンツを仕立てたのが、今日のジーンズの原型なんですね。 そして1873年、仕立て屋の "Jacob Davis(ジェイコブ・デイヴィス)" と共に取得したのが、力の掛かる箇所を銅のリベットで留めるという特許になります。 布を縫うのではなく、金属で留めてしまう。 この発想の転換が、作業着の耐久性を決定的に変えました。今なお全てのジーンズがこの構造を受け継いでいるわけですから、大した発明だと思いませんでしょうか。 やがて20世紀に入り、1950年代のハリウッド映画が状況を一変させます。 スクリーンの中の若者たちが纏ったデニムは、労働着から反抗と自由の象徴へ。作業着だった一本が、文化そのものになっていきました。 そんなリーバイスのデニムジャケットの中で、最も人気の高いモデルが、今回ご紹介する『507XX』——通称 "2ndタイプ" になります。 初代の 506XX が背中のベルトで胴回りを絞る仕様だったのに対し、1953年に登場した507XX は、その構造を大きく作り替えました。 まず、背中のシンチバックが廃され、代わりに前身頃の両脇へバックル式のアジャスターが移されます。 着たまま片手で絞れるこの位置は、確かに理に適っていますね。 そして胸ポケットは左右二つに増やされました。 初代は片側だけでしたので、収納力という点では倍になった計算になります。 さらに、前立ての両脇に縦のプリーツを配し、ボックスステッチで留めるという仕様が加わりました。 腕を前に伸ばした時にこのタックが開いて、背中と胸に逃げをつくってくれるんです。作業着として求められた可動域を、装飾に見える形で解決している。この辺りの美しさが、507XX が今なお愛される理由かと思います。 当個体は、その507XX を本国アメリカで復刻した個体になります。 内タグに記された品番は "705020003"。 そして最下段の数字を見ると "0698" とありますので、1998年6月に生産された一枚である事が分かります。 ここで注目して頂きたいのが、同じ行に並ぶ "555" の三桁。 これはサンフランシスコのバレンシア・ストリート工場を示す番号になります。 バレンシア工場は、リーバイスが本国生産の最後まで守り抜いた、聖地とも言える場所になります。 ヴィンテージの復刻ラインは、まさにこの工場の職人たちの手によって作られていました。 そして同工場は2002年に閉鎖されています。 つまり "MADE IN U.S.A." かつバレンシア製という条件を満たす個体は、もう二度と生産されないんですね。 この一点だけでも、当個体の価値は充分に伝わるかと思います。 モデルを特徴づけるディテールを、改めて見ていきましょう。 フロントのボタンは、"LEVI STRAUSS & CO. S.F.CAL." の刻印が入ったドーナツ型を採用しています。 使い込まれてメッキが薄れ、鈍い銀色に落ち着いています。 胸ポケットのフラップは、角を斜めに落とした独特の五角形をしています。 この形が左右に並ぶ事で、正面から見た時の顔つきが決まります。 袖口はボタン留めのカフス仕様で、脇には調整用のボタンがもう一つ。 手首の太さに合わせて二段階で絞れる、実に実用的な作りになっています。 パッチには、二頭の馬が両側からジーンズを引き裂こうとしても破れない、というあの有名な図案が押されています。 その下に "LOT 507 XX" と "SIZE 44" の文字が黒インクで押されています。 生地は、王道のヘヴィオンスデニム。 デッドストック特有の板のような硬さは既に抜けており、手に取るとしなやかに落ちてくれます。 この状態まで育てるのに、前の持ち主がどれだけ袖を通したのだろうと、つい想像してしまいますね。 そして当個体最大の魅力が、その色落ちです。 縫い代に沿った白いアタリ、胸ポケットの縁取り、そして何より肘周りに浮かんだハチノス。 ハチノスというのは、肘の裏に折り重なった皺が繰り返し擦れる事で生まれる、蜂の巣状の色落ちのこと。 腕を曲げるという動作の記録が、そのまま生地に刻まれたものになります。 濃紺が残った箇所と、白く抜けた箇所。 そのコントラストの立ち方が、この一枚は本当に絶妙なんです。 デニムは着るほどに落ちていきます。 次に袖を通すのがあなたであれば、ここから先の色は、あなたの動きで決まっていくわけですね。 カラーは、深く落ち着いたインディゴフェード。 青みの強い新品のデニムと違い、経年によってグレーがかった味わいへ移行しています。 この色になると合わせる色を選びませんし、大人が着ても子供っぽく見えないのが有難いところかと思います。 白のTシャツにデニムを羽織って、下は黒のスラックス。 それだけで様になるのが、この手の一枚の強みではないでしょうか。 もちろん同色のデニムを合わせたセットアップ的な着方も良いですし、ニットの上から羽織って襟を立てるのも良い。 流行り廃りとは無縁の一枚ですので、十年後も同じように着られるかと思います。 サイズ表記は "44" 日本サイズで "L" 程度に該当するかと思います。 着丈が短くコンパクトにまとまった、2ndタイプらしいバランスです。 生地特有のアタリ・褪色・擦れ・ほつれ・小穴等の使用感はありますが、着用に問題のある大きなダメージは見受けられませんので、まだまだご着用可能かと思います。 復刻という言葉は、時に軽く響きます。 ただ、バレンシア工場という失われた場所で、二十七年前に本国の職人が縫った一枚が、こうして良い色に育って手元にある。 それは既に、それ自体が一つの歴史ではないでしょうか。 本国製かつバレンシア工場製の507XX を、しかもこの色落ちで。 お探しの方がいましたら、この機会をどうぞお見逃しなく。
Variants (1)
- Default Title — 589.00 USD — In stock
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