九谷シンブル No.22南蛮人
海の向こうから福を運ぶ人 色鮮やかな衣装に身を包んだ、異国の人々。 九谷シンブル No.22には、かつて海の向こうから日本を訪れた「南蛮人」が描かれています。 南蛮船がもたらした品々は、当時の人々にとって、まだ見たことのない珍しく貴重なものでした。そのため南蛮人の姿は、遠い異国への憧れだけでなく、海を越えて新しい文物や富を運んでくる、縁起のよい存在として工芸品の意匠にも取り入れられてきました。 この小さなシンブルを彩るのは、九谷焼作家・山本長左氏。 白い磁肌に、青、緑、紫、赤を巧みに配し、異国風の装束や人物の表情を、細やかな筆致で生き生きと描き出しています。わずか数センチの器面でありながら、そこには海の彼方から人々が訪れた時代の驚きと高揚が凝縮されています。 よく見ると、南蛮人たちはシンブルを置いた状態では逆さに描かれています。 けれども、これはこの作品を楽しむうえでの大切な趣向です。シンブルを手に取り、指先でくるりと回すと、逆さだった人物がすっと起き上がり、こちらへ姿を現します。眺める向きによって景色が変わる小さな器だからこそ生まれる、遊び心のある絵付けです。 海の向こうから珍しい品々とともに、喜びや幸運を運んできた南蛮人。 手のひらの上で向きを変えながら、時代を越えて届いた異国への憧れと、山本長左氏の自在な筆の世界をお楽しみください。
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