野村万之丞・拳之介・眞之介の<br>三兄弟がナビゲートする<br>ふらっと狂言会
600年の歴史の中で人間の滑稽さや弱さを表現してきた笑いの芸術、狂言。 若手狂言師の三兄弟、野村万之丞さん、拳之介さん、眞之介さんを中心に行われている『ふらっと狂言会』は、狂言初心者におすすめの公演です。 文/清水井朋子 日本最古の喜劇・狂言の 次代を担う三兄弟 室町時代に生まれた伝統芸能、狂言。 主人の留守に酒を盗み飲む家来や妻に隠れて恋人のもとに通う亭主などの登場人物たちは、滑稽で人間臭く、親近感や愛情が湧いてきます。 最小限の小道具で演じられる台詞劇は観客の想像力に委ねる部分が大きく、その分、時代を経ても古びることないため、令和の私たちも素直に笑い、感動することができるのです。 そんな狂言の世界で今、注目を集めているのが、野村万之丞さん、拳之介さん、眞之介さんの三兄弟です。 お父様は九世野村万蔵さん。お祖父様は初世野村萬さん(人間国宝・文化勲章受章)。 幼少期から舞台を踏み、それぞれの成長の過程で大曲を披いて(初演して)高い評価を得てきました。 野村万之丞さんは1996年生まれの29歳。全国各地にて小中高生向けの狂言鑑賞教室やワークショップも積極的に行なうほか、海外公演にも数多く参加。また、2018年NHK大河ドラマ「西郷どん」に明治天皇役で出演するなど幅広く活動しています。 次男の野村拳之介さんは1999年生まれの27歳。東京芸術大学に学び、伝統芸能の他ジャンルの担い手との交流も今後の財産となることでしょう。 「ふらっと狂言会」では毎回、グッズを担当。ボールペンや手ぬぐいなどチャーミングなアイテムを制作しています。 末っ子の野村眞之介さんは2003年生まれの22歳。この春、大学を卒業し、今後は狂言師としてますます本格的に活動することになりそうで、期待が高まります。 三兄弟の中ではSNSの配信を担当。コロナ禍にスタートしたYoutubeチャンネルでも狂言を身近に感じてもらうための工夫を重ねています。 “はじめての狂言”にぴったりな 『ふらっと狂言会』 狂言に普段馴染みのない方や若い人たちに、“ふらっと”気軽に観にきて楽しんでもらいたい、という思いから、野村万之丞さん、拳之介さん、眞之介さんが中心となって2023年に立ち上げたのが『ふらっと狂言会』。 “600年前のネタがまだウケるってすごくない?”というキャッチコピーのもと、半年に1度の公演を重ね、2026年4月の公演で7回目を迎えます。 東京・千駄ヶ谷の国立能楽堂のロビーでは、漫画家の東村アキコさんが描き下ろした『ふらっと狂言会』出演メンバーのイラストを使用した記念撮影用パネルがお出迎え。 また、実際に狂言で使用されている装束・道具を展示し、狂言のシーンを真似て写真を撮ることができる体験フォトスポットを設置するなど、狂言を身近に感じられる工夫が随所に。 上演前には演目解説コーナーを実施。若者や初心者にも分かりやすい言葉選びと雰囲気で、普段は敷居の高い印象のある能楽堂に、毎回お客様の笑い声が響きます。公演の最後には三兄弟がお客様からの質問に答える「三兄弟トーク」のコーナーも。 入場料も通常の狂言会より低めに設定されているので、学生同士やお子様連れでの参加にもおすすめです。 わかりやすい演目で 歌舞伎とのコラボ企画も 今回の公演では『盆山』と『悪太郎』の2演目を上演。以下に簡単にあらすじをご紹介しましょう。 『盆山』 世間で大流行している盆山(盆栽のルーツとも言われる)を一つも持っていない男は、たくさん所持する知り合いに所望しますが、ケチで一つもくれません。そこで夜中に忍び込み盗もうとして、見つかってしまいます。慌てて盆山の陰へ隠れた男を見た持ち主はからかってやろうと一計を案じ、隠れたのは犬だなどと動物の名を言います。男はなんとか乗り切ろうとしますが、次第にエスカレートして…… 『悪太郎』 お酒が大好きな悪太郎は、それを伯父が陰で非難すると聞いて、長刀を持参して脅し、陰口をやめるように言います。その甲斐あって逆にお酒を振る舞われて酔った悪太郎は、帰る途中に道で寝てしまい、目が覚めたらびっくり仰天。ヒゲと頭が剃られて丸坊主になってしまいました。夢の中で南無阿弥陀仏と名付けられ、反省して仏道に入ろうと決意していたら、遠くからお坊さんが自分の名前を呼んでいて……? 実は狂言の演目には歌舞伎に取り入れられている作品も多く、今回上演される『悪太郎』も、そのひとつ。 同世代の歌舞伎俳優で同じく三兄弟の中村橋之助さん、福之助さん、歌之助さんとのコラボ企画で、5月に開催される「神谷町小歌舞伎」でも、この『悪太郎』が上演され、割引価格のセット券も販売されます。 狂言と歌舞伎を見比べるてみるのも楽しそうですね。 初心者も楽しめる『ふらっと狂言会』で、この春、新しい笑いの世界の扉を開いてみませんか。 ふらっと狂言会 ♭7 4月19日(日)11時開演 会場 国立能楽堂 価格 一般:3,000円 Uー29:2,000円(29歳以下) ※税込価格 ※全自由席 ※入場は5歳以上 ご購入 https://yorozukyogen.jp/pg4905380.html インスタグラム https://www.instagram.com/flat_kyogen/
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