志野茶盌 星雪(せいせつ)
作品の特徴 志野の白い長石釉が、雪の積もった山肌のように器全体を静かに包む。表面には柚肌と呼ばれるしっとりとした釉肌が広がり、土の薄く透ける縁には火色の温もりがほのかに差す。その白い肌の上から、口辺をつたって鉄釉の漆黒がとろりと流し掛けられている。掛け合わされた黒の景色は、雪明かりに照らされた夜空を思わせ、その表情に浮かぶ結晶は、冬の星々のように静かにきらめく。縦に走るへら目は水の流れを思わせ、白と黒、静と動が、二つの釉の重なりのうちに出会う景色である。 加藤尊也は、山・月・海・風といった四季の自然に器の姿を重ね、行雲流水の心で土と向き合う。雪のような白い長石釉は、点てられた抹茶の緑をいっそう鮮やかに映し、一服のひとときを静かに引き締める。茶の湯はもちろん、季節の移ろいを味わう日々の一碗として。雪明かりの下に広がる夜空を映したようなこの一碗は、料亭や旅館など、特別な空間にも自然に調和する。
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