As it begins to speak

As it begins to speak

Brand: Necktie Design Office
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『たとえばそれが語りはじめるとき(As it begins to speak)』は、ひとつの文章を活版印刷、オンデマンド印刷、ウェブサイトという三つの媒体で展開した作品です。活版印刷の小冊は骨董店で手に入れた経年劣化した古い紙に、金属活字でハンドプリントしています。古い紙に、古い技術で、今の言葉をのせることで、いつの時代の印刷物なのか全くわからない、時間が混ざり合うような、不思議な手触りの一冊です。 製作過程『見るのか、読むのか、そのあいだの本ができるまで』 Design: Takeo Chiboshi(Necktie Design Office) Size: 活版印刷版 w128.5 × h364 オンデマンド印刷版 w128 × h207 ステートメント mil / yom w128 × h182 パッケージ w130 × h368 Material: 紙 Product: Made in Japan 何かの文章を形にするとき、言葉は必ずその媒体や書体、組版の影響を必ず受けます。同じ文章であっても、どのような形が与えられるかによって、その見え方や受け取られ方は少しずつ変わっていきます。つまりそこには、著者だけではなく、それを形にする者の判断や意図が微かに溶け込んでいます。与えられた形の違いは、私たちが見ることや読むことにどのように影響しているのでしょうか。私たちは文章を読んでいるのか、それとも見ているのか。あるいはそのふたつは、はっきりと分けられるものではないのかもしれません。 『たとえばそれが語りはじめるとき』は、ひとつの文章を活版印刷、オンデマンド印刷、ウェブサイトという三つの媒体で展開しています。同じ文章でも、そのあり方が変わることで、立ちあがる印象や感じ方には違いが生まれます。その差分を通して、見ることと読むことの稜線をたどります。 活版印刷、オンデマンド印刷、ウェブサイト、ステートメント 『mil / yom』の4点で構成されています。限定100部(エディションナンバー入り) 活版印刷版。手仕事、偶然性、あいまいさの残るもの。古いアンティークの紙に全ページ金属活字で活版印刷しています。12ページ手製本。 オンデマンド印刷版。規格化、量産、スピード。オンデマンド印刷は現代の効率的な印刷の象徴だと思います。オフセットで問題だった部数の壁も突破し、小ロットでハイクォリティな印刷が可能です。インターネットで紙とサイズを指定して入稿すれば、1週間後には納品されます。プロポーションは黄金比で中綴じ12ページ。 ウェブサイト版。データ、利便性、脆弱性。スピードという点では印刷とは比べ物にならないくらい最速のメディアです。データをアップロードすればすぐに世界中の人が閲覧できる。テキストコピーや翻訳も可能で、間違いがあってもすぐに修正される。そのぶん本に比べると支持体としては脆弱で、いつのまにか削除され見れなくなってしまったりします。 ステートメント『mil / yom』。「見ること、読むこと」についての考察を冊子にまとめたものです。『たとえばそれが語りはじめるとき』の解説本的な役割です。タイトル「mil / yom」のスラッシュは本来は「or」の意味で使われます。しかし近年は「and」の意味でも使われるようになってきていて、そういった両者の曖昧な関係性に着目してネーミングしました。 天をアンカットで仕上げています。読むときには、上部をペーパーナイフなどで切り開いてから読んでいただく仕様です。まだ完全には綴じられていない、本になる前の未然の空気を残したかったのでこの形にしました。ページは最初から開かれているのではなく、読む人の手によって、少しずつ本として立ちあがっていきます。ペーパーナイフを入れる、ほんのひと手間。けれどその小さな作業が入るだけで、読むという行為が、もう少し身体的な出来事になる気がしています。24ページ、スクラム製本したものを紐でぐるっと綴じています。

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