1786年-G ハンガリー ヨーゼフ2世 ギュンツブルク造幣所 1ダカット金貨

1786年-G ハンガリー ヨーゼフ2世 ギュンツブルク造幣所 1ダカット金貨

Brand: PRIME MINT
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特徴 名門ハプスブルク家に生まれたヨーゼフ2世。 1786年、ヨーゼフ2世の治世下のハンガリー王国で発行されたダカット金貨は、18世紀中欧の歴史を今に伝える1枚です。 ヨーゼフ2世は、名門ハプスブルク家の当主であり、神聖ローマ皇帝にして、ハンガリー王・ボヘミア王を兼ねていました。母は女帝マリア・テレジア、妹はフランス王妃として知られるマリー・アントワネット。ヨーロッパで最も高貴な家門に生まれた君主でした。 血統だけではありません。 ヨーゼフ2世は、18世紀を代表する啓蒙専制君主としてさまざまな功績を残しました。 行政改革、宗教寛容政策、教育制度の整備など、オーストリアを近代国家へと押し上げた名君として知られています。農奴の解放や農民保護の政策、信仰の自由を認めた寛容令、出版の自由の拡大など、当時としては画期的な政策の数々を次々に打ち出しました。改革の数は親政10年でおよそ6000にものぼったと伝えられています。 ハンガリー王でもあったヨーゼフ2世の肖像画がデザインされた1ダカット金貨は、こうした近代的な君主としての尊厳を反映したコイン。1780年に母マリア・テレジアが亡くなったあと親政を開始した、啓蒙君主として最も輝いていた時代の治世に発行された金貨です。 直径20mm、重量3.49gというコンパクトなサイズながら、表面には月桂冠を戴いたヨーゼフ2世の円熟した右向き肖像、裏面にはハプスブルク=ロートリンゲン家の紋章を掲げた双頭の鷲が刻まれています。 品位.986という高純度は、伝統的に金の質が高いことで知られるハンガリー発行ならではの特色です。 ヨーゼフ2世は48歳という若さで惜しまれつつ亡くなりました。 親政はわずか10年、発行数そのものが少ないコインであるため希少性も高い1枚です。 ハンガリーの伝統ある造幣拠点から生まれたダカット金貨。 広大な多民族国家であったハプスブルク帝国の偉大さを伝えています。 概要 1786年にハンガリーで発行されたヨーゼフ2世の1ダカット金貨。概要をわかりやすく解説します。 熟年のヨーゼフ2世の肖像 ヨーゼフ2世は、女帝マリア・テレジアの長男として誕生しました。3人の皇女に続いてようやく得た男子であったため、母から溺愛されたといわれています。 典型的なハプスブルク家の顔立ちといわれるヨーゼフ2世ですが、知的で整った貴族的な容貌が特徴です。コインにデザインされたヨーゼフ2世は39歳。神聖ローマ皇帝として、ハンガリー王として、すでに15年の経験を持つ円熟味があふれています。 古代ローマの皇帝のように月桂冠を頭に戴いた姿は、農民の保護政策に熱心だった啓蒙君主としての誇りが感じられます。 ハプスブルク=ロートリンゲン家の紋章 ヨーゼフ2世の母マリア・テレジアはハプスブルク家の皇女でした。父は、ロートリンゲン公(フランス語名はロレーヌ公)であったフランツ・シュテファンです。 ヨーロッパの王位や皇位は、その家に生まれた女性でも継ぐことができるケースがありますが、その女性が他家から夫を迎えて王位を継いだ場合、その子どもたちの代からは母の家名に加えて父の姓も名乗るのが慣例となっていました。この慣習に従い、強大な権勢を誇ったハプスブルク家も「ハプスブルク=ロートリンゲン家」と称されるようになったのです。 そのため、ヨーゼフ2世の代からハプスブルク家の紋章には、父フランツ・シュテファンのロートリンゲン家の紋章が加えられました。1786年に発行された1ダカット金貨の紋章も同様で、向かって右半分には「アレリオン」と呼ばれる3匹の鷲の紋章があります。 婚姻政策によるハプスブルク家の領土がわかる文字 「戦争は他者に任せておけ、幸いなるオーストリアよ、汝は結婚せよ」と言われたように、ハプスブルク家は結婚によってヨーロッパの領土を広げてきた名門です。 代々の結婚政策による領土獲得の成果は、1786年に発行されたダカット金貨の文字にも見ることができます。 ヨーゼフ2世の肖像画の周りに刻まれている文字は、 IOS·Ⅱ·D·G·R·I·S·A· GE·HV·BO·REX·(神の恩寵を受けた常に尊厳なるローマ皇帝、ゲルマニア・ハンガリー・ボヘミアの王) という意味です。 ハプスブルク家の紋章の周りを囲んでいる文字は、 ARCH·A·D·BVRG· LOTH·M·D·H·(オーストリア大公にしてブルゴーニュ公、ロートリンゲン公とトスカーナ大公) ドイツを中心とする中央ヨーロッパだけではなく、フランスやイタリアにも領土を持っていたハプスブルク家。 ちなみに、ブルゴーニュ公位は1477年のマクシミリアン1世の結婚、ハンガリーとボヘミア王位は1526年のフェルディナンド1世の結婚、トスカーナ大公位はヨーゼフ2世の父フランツ・シュテファンが外交によって得た爵位です。 戦争ではなく、平和に領土を広げていったことがよくわかります。 歴史的背景 1786年に発行されたヨーゼフ2世の1ダカット金貨。その歴史的背景を解説します。 マリア・テレジア女帝とヨーゼフ2世 ヨーゼフ2世は長男として、マリア・テレジア女帝に溺愛されていました。1765年に父フランツ・シュテファンが亡くなると、ヨーゼフ2世は母とともに共同統治者となります。 しかし母と息子はさまざまな政策を巡って対立。とくにヨーゼフ2世が、マリア・テレジアの最大のライバルだったプロイセンのフリードリヒ大王に傾倒するにいたって、母子の亀裂は深いものになりました。 また穏健で現実的な政策を進めるマリア・テレジアと異なり、若いヨーゼフ2世は理想主義に燃える急進派。なかなか実権を手放さないマリア・テレジアと、理想に燃えるヨーゼフ2世の対立は、女帝の死まで続きました。 女帝死後のヨーゼフ2世は典型的な啓蒙君主に 1780年にマリア・テレジアが亡くなると、ヨーゼフ2世は親政を開始。1790年にヨーゼフ2世自身が亡くなるまでの約10年間、彼が出した法令は6,000にも及びます。 寛容令、農奴解放令、ユダヤ人の法的開放、出版の自由、民・刑法における貴族特権の廃止など、近代的で開明的な政策を次々に行いました。あまりに急進的過ぎて、混乱を招くケースもあったようです。 農民を守るための政策が多かったことから国民の支持を得ており、後のフランツ・ヨーゼフ1世は、ヨーゼフ2世の人気にあやかってこの名になったと伝えられています。 しかし1780年代には各地での反乱やフランス革命の勃発で国のかじ取りが難航。ヨーゼフ2世は1790年、48歳の若さで亡くなりました。 1786年に発行されたヨーゼフ2世の1ダカット金貨は、理想に燃える皇帝の思いがこもった1枚、といえるかもしれません。 ヨーゼフ2世の私生活 国民に絶大な人気のあったヨーゼフ2世。その家庭生活もまた、人びとの同情を買いました。 ヨーゼフ2世は1760年、パルマ皇女のマリア・イザベラと結婚。初々しい夫婦の姿は、宮廷の内外で羨望の的で、2人はとても仲の良い夫婦でした。 ところが2人の皇女(いずれも夭折)を産んだマリア・イザベラは、結婚後わずか3年で死去。病中のマリア・イザベラを看病する姿が絵画に残るほど仲の良かった2人の結婚生活は、あまりに短いものでした。 ヨーゼフ2世は1765年にバイエルンの公女と結婚しますが、夫婦仲は冷え切っており、ヨーゼフ2世は前妻を生涯思い続けたといわれています。 映画の主人公になりそうな生涯を送ったヨーゼフ2世。理想を追い求めた皇帝を、1ダカット金貨から感じることができます。

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